コンピュータVSプロ棋士 — 名人に勝つ日はいつか 読了 読 2011年02月04日 「コンピュータVSプロ棋士—名人に勝つ日はいつか」 岡嶋裕史わかるヒトはタイトルを見ただけで分かるでしょう。2010/10/11 に行われた、 清水市代 女流王将 vs あから2010 の将棋対局のお話。 日本情報処理学会 - 清水市代女流王将 vs あから2010 速報 駒桜 女流棋士会ファンクラブ - 清水市代女流王将vsコンピュータ将棋清水さんは以前は女流四冠にもなった、名実ともに女流トップクラスの棋士。あから2010は4つの強豪将棋ソフトの連合軍。(なんと各ソフト間で話し合いをするらしいw)結果としては あから2010 が勝利を収め、「コンピュータが初めてプロ棋士に勝った」と報道された。(将棋に詳しい方々に言わせると、この報道にはいろいろ突っ込みどころがあるらしいけど、やっぱ こう書くのが分かりやすいよね)前半でコンピュータ将棋の歴史や、合議(話し合い)のしくみ、将棋ソフトの思考方法などを紹介。後半は、その知識を交えつつ当日の対局の内容を解説。分かりやすくて面白かった。自分は将棋もコンピュータもちょこっとだけかじった位なので、これくらい分かりやすいほうが助かる。逆に、ちょっとその辺り(コンピュータ将棋)に詳しいヒトには物足りないかも。そんなヒトのために、巻末には さらに知るための「ブックガイド」もついています。文中にはコンピュータが世界チャンピオンに勝ったチェスの、その後の様子などもちょこっと。これが興味深かった。そういう発展のしかたがあるのか、と。「コンピュータが人間に勝つようになったら そのゲームは終わり」じゃないんだね。将棋ソフトの思考方法は難解だが、解説は分かりやすい。というか、この難解なことを人間は普通にやってるんだな、ということに驚愕。解説されると当たり前のことだけれどもさ。。。すげぇよ。そして、清水女流王将の言葉に対する 「今回清水女流が技術者をそのように表現してくれたことは、彼らにとってどれだけ励みになっただろう。 どれだけ流した汗が報われただろう。」に衝撃。そう。対戦したのはコンピュータだけど、そのコンピュータ(ソフト)を育てたのは人間。そこにはキモチも感情も情熱も苦労もある。それに今まで気づいていなかった自分が情けない。コンピュータが棋譜を解析してくれるから人間のレベルもあがるし、人間がすばらしい棋譜を残すからコンピュータも強くなれる。人間とコンピュータは敵同士じゃなくてライバルなんだね。 PR